『傘がない』の歌詞に井上陽水が込めた意味とは?

歌詞考察

皆さんにとっての”傘”ってどんな存在ですか?
雨から自分を守ってくれるものには変わりないですが、それに対する重要度はひとそれぞれ。
大切な約束であれば、傘に頼らず濡れたとしても行くのが筋でしょ。。という人もいます。
濡れたくないから傘がなかったら行かないという人もいます。

そういった価値観は人様々です。

では井上陽水はどう考えたのでしょうか。

傘に隠された、当時の井上陽水の思いを探ってみましょう。

 

 

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『傘がない』の歌詞に井上陽水が込めた意味とは

「都会では 自殺する若者が 増えている~」
と始まるこの曲。いきなり聞く人を暗く憂鬱な気持ちにさせてきます。

この曲がリリースされた1972年という年は、この歌の出だしに象徴されるように、学生運動が無残な終焉を迎えた年でした。

あさま山荘事件の年です。

この曲が世に出回った時にはもう既に、学生運動はだんだん下火になってきたタイミングだったのです。

その為か、少し出遅れたこの曲もヒットチャートで69位と振るわないものでした。

しかし、この曲は今なお聞かれ続ける名曲であることは間違いがなく、現在では井上陽水の代表曲とまで言われるようになりました。

 

 

後に井上陽水自身はこの曲を歌い続けることで、「傘」の意味の変化を感じていることを語っています。

 

当時、「政治的」気運が高まっていた世の中だった時にこの曲を作るが、そうした空気が下火に。

そしてまた「政治的」気運が再び戻ってきたタイミングで、世の中に訴えかける何かを再確認する。

 

聞き手は常に世の流れを感じ取り、こうしてこの曲にその空気を重ね合させるのではないでしょうか。

 

世の中は平和ボケとそうでない時期を繰り返しているように感じます。

この曲の意味を再確認する機会を度々得ているようにも思えるのです。

 

さて、今はどうでしょうか。
自ら命を絶つする若者はいまなお大変に多い世の中ですが、その中での“傘”の意味はどのような物なのでしょうか。

 

 

 

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『傘がない』の歌詞。井上陽水の言う“傘”の意味とは

「自殺する若者」のフレーズの後では、それよりも“今日の雨”に主人公は憂鬱さを感じています。

それを傘のせいにして、“彼女に会いに行かなきゃ…”と、うじうじと立ち止まっている内容です。

 

傘を表すのは、何でしょう。

 

さつきがトトロにあげた傘?

 

それとも核の傘?

 

心に振ってくるの不安を防ぐような傘?

 

 

雨の時、人は傘に対して依存します。
傘があると無いのとでは、濡れ方も大きく違ってきます。

 

 

傘も無く濡れたまま会いに行けば、その後の服を着替える煩わしさも出てきます。

 

冒頭の「自殺する若者」にとっては、目の前にある絶望と戦っている状態との決別が最優先事項です。

生きるか死ぬかの選択ですから、大変な問題です。

 

 

しかしこの主人公は、そんなことよりも雨の煩わしさをどうにかしてくれ、と思っています。
“そんなものよりもまず目の前の煩わしさのほうが優先事項なんだ…。”と訴えているような感覚です。

 

あまりに過激な思想やら政治の問題は、一般の我々の目の前に出てくることは少ないです。

「自殺する若者」にとっては、「自殺」をしないようにつなぎとめてくれる“誰か”が傘の役目を果たすかもしれない。

でも主人公にとっての傘は、憂鬱な“「君」との約束”を遮ってくれるような“何か”が傘だと思っている…。

 

 

ずぶ濡れになってでも行かなくちゃいけない約束を、無しにしてくれるような傘がない…

「行かなくちゃ…」

「会いに行かなくちゃ…」

「自殺する若者」にとっての傘と、主人公にとっての傘は同じか、それよりも重いものなのかもしれません。

 

 

2番の歌詞には「我が国の将来の問題を、誰かが深刻な顔をしてしゃべってる」と出てきます。これも「若者」の問題と同じ重さなんです。

 

 

それよりも重要なのは「傘がない」ことなんだ。

 

大きな問題と比べていながらも、目の前の事がとても大きくのしかかってきているようにも思えます。

 

 

 

 

 

 

『傘がない』の歌詞に井上陽水が登場させた「君」の存在とは

「君以外は何も見えなくなる それはいいことだろ~?」
これは裏サビの歌詞です。

 

雨に濡れてでも“会う”ということをかなえなきゃならない今の状況は、彼の固執した信念によるものだとは思いますが、なにか狂気じみているのはなぜでしょう。

やはり、冒頭の「自殺する若者」に引っ張られているのかもしれません。

 

小さい頃は、“簡単にあきらめちゃだめだ”とか、“死ぬなんて言っちゃだめだ”“命は大切にしなきゃ”とか、とても強く叩き込まれますよね。

特に日本はそういう傾向が強いような気がします。

だからここでの主人公も、「自殺する若者」とか“国の問題”とかも、重要なことは頭では十分わかっているんだと思います。

 

 

ここで思いました。

きっと、問題を堂々と論じられるのは目の前に大変な問題を抱えている人ではない…
余裕がある人でなければ、こうした他人の問題を論じられない。

 

ここで出てくる「君」って何だと思いますか?

 

私は、主人公が抱えている“憂鬱”の種なんだと思います。
「自殺する若者」の問題や「我が国の問題」と一緒で、「君」を大切にすることは頭では理解できる事柄です。

 

でも、いざ目の前にすると憂鬱で仕方がない。

憂鬱は雨として主人公に振ってきます。

 

 

 

…しかしここには「傘がない」

 

 

 

あくまで個人的な解釈ですが、皆さんはどう思いますか?

 

 

 

 

 

『傘がない』をカバーしたのは

  • オフコース 『秋ゆく街で』(1974年)
  • 斉藤和義 『砂漠に赤い花』(1996年)『Collection “B” 1993〜2007』(2008年)
  • 中森明菜 『歌姫3 〜終幕』(2003年)『歌姫 Complete Box Empress』(2004年)『Akina Nakamori Special Live 2005 Empress at CLUB eX』(2007年)『オールタイム・ベスト -歌姫(カヴァー)-』(2014年)収録。
  • UA 『YOSUI TRIBUTE』(2004年)
  • ダイアモンドユカイ – 『Respect III』(2016年)

その他です。

Wikipedia – 『傘がない』

 

 

 

 

まとめ

井上陽水の歌詞は意味深いと思うものが多いです。

この『傘がない』も、社会と自分との潜在的な乖離を、とても直接的に訴えています。

社会は社会、自分は自分だと、弱いながらも主張しているような気もします。

そして、「君」という憂鬱とも思えるような存在は、誰しもが持つ目の前の優先事項を表しているようにも思えてならないです。

単なるタスクとしての「君」。

 

こういった曲は無心で聞くことをお勧めします。

冒頭の”自殺”というワードに引っ張られそうになりますが、淡々と聞くことで歌詞の奥深さを再確認できます。

 

井上陽水の曲が支持され、カバーされ続ける意味が分かるような気がしませんか?

 

 

 

井上陽水オフィシャル

 

 

あくまで個人の考察です。本人の意向とは全く関係がないものです。

自分はこう考えるよ!

個々の歌詞の解釈はこうでしょ!と違う意見も聞いてみたいです。

感想などありましたら、コメントで教えてください^^

 

 

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